話題となっている「食料品消費税ゼロ」の“ゼロ”とは、どういう意味でしょうか?
― M社 ―
M社経理部古門部長と顧問税理士が、打ち合わせをしています。
そういえば、先生。
「食料品消費税ゼロ」などと、食料品に対する消費税の取扱いについて、ニュースなどで見聞きするのですが、この“ゼロ”ってどういう意味なんでしょうか?
消費税がかからないんだろうな、というのは何となく分かるのですが。
現状では、現行の輸出免税と同じゼロ税率方式を国内にも適用する前提で語られているようです。
つまり、非課税や不課税とは違い、課税売上げとして扱いつつ、税率が「0%」ということですね。
結局は消費税が出ないわけですから、どれでも一緒なのではないですか?
ゼロ税率での最も大きなポイントは、税率はゼロでも、課税の枠組みには残るため、課税仕入れに含まれる消費税の負担が事業者に残らないことです。
要するに控除できることから、控除しきれない部分について還付が受けられる、ということです。
輸出免税を多くする事業者の消費税の還付について、時折話題に上ることがありますが、この点になりますね。
確かに、非課税とかはダメでしたね。
ご理解のとおりです。
非課税や不課税となる売上げですと、その売上げに対応する課税仕入れに係る消費税相当額が控除できないため、コストとなります。
また、課税売上割合の計算においても、取扱いが異なります。ゼロ税率は分母・分子に含めますが、非課税では大抵の場合において、分母に含めて分子に含めないため、非課税の売上げが多いと課税売上割合が下がってしまいます。
課税売上割合が下がると、何か問題でもあるのですか?
たとえば、一般課税において、課税売上割合が95%以上あれば、課税売上高が5億円以下の場合は支払った消費税額相当額について全額控除できます。このような控除できる額、いわゆる「仕入税額控除」の計算に影響を及ぼします。
でしたら、ゼロ税率の方がよいのですね。
どうでしょうか……。
いずれにしろ「食料品消費税ゼロ」については課題が多くありますので、そこを整理しながら検討が進められていくようです。
実質的に消費税がかからない場合でも、課税体系上の位置づけが違えば扱いが変わります。これらの違いを理解しておくことで、今後議論が進む場面でも、実務への影響をより正確に把握できると思います。
確かにそうですね。
また疑問に思うことがあれば、質問させてください。
承知いたしました。
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